マチュ―

とってもロマンチックなバレエ公演を観た後、
友人がとっても現実的な便秘の薬を買う、
といって薬局に飛び込んじゃった。
残された私は店先でぼーっと外を見ていたら、
ヨレヨレの普段着のTシャツを着たマチュ―・ガニオ
が目の前を通りすぎて行った。
こんなことばが相応しいのかわからないけれど、
無垢な感じだった。

その時は評判はかなり悪かったけれど、
眠りのグラン・パ・ド・ドゥの時、なんだか舞台の上で、
後ろでヌレエフが見守っているみたいだったよ。

ローラン・イレールが
「マチュ―・ガニオならどう踊るかみたい」
といったことばが、単なる商業宣伝文句だとは
思っていない。

ルグリや先輩達の指導を真摯に受けているのかな。
それしか選ぶことができない使命を感じているのかな。

心ではいつも本番舞台にいるような
目をしているよね。これからどうなるのか?

ルグリ達が切実に必死で守っているのは、
マチュ―・ガニオ自身ではなくて、
オペラ座の伝統。継承するということ。