木綿以前

「木綿以前の事」(柳田国男著)という題名をふと思い出しました。一つ一つの単語はとても平凡なことばで、事務的な並びをしているけれど、全体として、著者の静かだけれどなにか訴えていて、強烈な主張や個性が隠されている・・・そんなスリルとサスペンスがありそうな題名です。

日本人が木綿に親しむようになる以前と以後が比較してありました。木綿以後をどちらかというと、否定してあるような感じで、最後は否定とも肯定ともいえないような疑問が投げかけてありました。先を見ながら、過去を顧みて、軌道修正していくようなバランスのとり方がおもしろいです。


必ずしも綿の座布団=日本的とはいえないようです。そういえば、神社などでは、座布団はあまり使用されていないような気もします。座布団の歴史を検索してみると、怠惰なので、武士は座布団を使用しなかった例(本当かどうかは不明)もあるとか?長方形にも、訳があるそうです。


クッションよりは座布団の方が日本的。
でもさらに座布団を遡った過去には、別の日本の顔が、歴史が、あるなんて。