余香

お菓子の栞には、小さな草餅の由来が書いてありました。若い頃は毛虫の悪太郎と皆から嫌われていた善太郎さんは、仏教にご縁をいただいて人生が一変し、「日々の生活の中にうるわしい行実をのこされ、尊い信仰の人」となったのだそうです。           

その善太郎さんがお供え物の草餅によって、盗みをした女の人を心から懺悔させた「草餅説法」にあやかったのだそうです。「なにとぞ善太郎さんのうるわしい余香を偲ばれるとともに、ご賞味くだされば倖せに存じます。」と結んでありました。              

決して派手ではない蓬の香りが実は「心からの懺悔」を促し、人生を鮮やかに変える力があるのかと感じ入りました。