晩秋』であるのに『若葉の色』の青、
そして低く垂れるやうに広げに広げた枝の、
こまかい葉のしげりに、
冬立つまぢかの真昼の日が照り、
その光りが葉漏れる、
老大樹の若い生命のみづみづしさを、
一首に写したのである。


「都のすがた―とどめおかまし」より