東京オリンピックのエンブレムのデザインを見た時には、スポーツ競技のイメージがわきませんでした。ただ、日の丸と同じ赤い丸の扱い方に、疑問を感じました。

日の丸が、柱の陰に隠れているように見えます。
立体的に想像してみると、左側から見ると日の丸が黒い柱に遮られています。何か黒いものが真ん中に陣取って、日の丸を脇に追いやっているようにも見えます。

しかし、リエージュ劇場のロゴを見て納得がいきました。
デザイナーの方は、おそらく劇場空間からこのデザインのインスピレーションを得たのではないかと思いました。
真ん中の棒は、舞台上、また、観客席のどちらにも通じて、劇場全体の柱をイメージさせ、物語を抱いているように見えます。背景の黒い色は、観客席の照明が消えた上演空間を表わしているように見えます。

視覚により、見る人の心に、作り手が感じたと思われる同じインスピレーションをもたらします。潜在意識下の様なところで、人の心がつながって、劇場のイメージを共有できる働きを持っているように感じました。

自国の国旗に敬意がなければ、他国の国旗にも敬意を払えないと思う。日本の文化が薄れているようで、悲しい。昔話の「はなさかじいさん」を思い出しました。