アメジスト色

ニオイスミレ(スウィ―ト・バイオレット)は香料の原料になるそうです。葉はハートの形をしています。

私がこの花に更に興味を持ったのは、ガンという病気に対して“自然防衛力を強めた”というもうひとつの神話を持っていると知ったからでした。『メッセゲ氏の薬草療法』(自然の友社/モーリス・メッセゲ著・田中孝治監修・高山林太郎訳)

迷信に近く、医学的な根拠や事実は違うのかもしれないし、実際には観賞するだけですが、何か頼もしい印象を振りまいているような気がして、その花の力ににあやかりたいと思ってしまいます。「可能」であることの象徴として。

葉も花も根も種のことも知るモーリス・メッセゲさんはこの花を、

    
*アメジスト色の花*

と呼んでいて、そのことばにはっとさせられました。どんな紫色とも違っていて、詩を読むように目の前に輝くスミレが舞い降りてきます。植物に向き合い、知りつくしてなお美しい未知の夢やロマンを抱いているような、とびきりの愛情を感じてしまいました。