スミレの花束
花束であれば、ニオイスミレ。
濃い紫の花を丸く集めて、
葉の緑で縁取るように囲んで束ねたもの。
リボンや紙で飾ったりしないもの。
スミレの花束を称えて、ちょっと清少納言風に書いたつもりです。
雑誌「フィガロジャポン」で、フランスのスミレの村が紹介されていて、スミレの花束も写真で見ることができます。日本では、以前東京のデパートで見かけましたが、あまり出会えないのです。
その記事が、スミレの真実をよく伝えて感動的です。“想像以上の香り”“濃厚な紫”“可愛いだけでなく毅然としたたくましさに満ちている”
紫色がことさらおいしそうな色だとは思いませんが、スミレのアイスクリームの写真も掲載されていて、それは・・・はおいしそうです。
スミレの香りに似ているといわれるオリスルート(ニオイイリスの根)は、お酒の香付けなど調理用にも使われるそうなので、スミレの香も食べ物に使っても、アイスクリームのバニラとよく合う感じがします。フランスの村版抹茶アイスというところかな。
スミレの砂糖漬で飾った白いクリームと、スミレのアイスクリームが、村らしい素朴なクレープの上に乗っていて、傍にはスミレ色のお酒かジュースかこれまたおいしそう。記事によると紅茶やジャムもあるとか…。
かつて、ローズジュースという響きに魅力を感じ、冷たくして飲むとおいしいそうと思ったり、バラのジャムってパンにつけるとどんな色?と興味を持ったこともあるし、花屋さんに入って「わぁ、きれい!」と言わずに「わぁ、おいしそう!」と言ってしまわない様にくれぐれも、注意・注意。
そういえば、飼っていた犬が、散ったさざんかの花をパクパク食べてあわてたことがあったけれど。
アルブレヒト・デューラーの『スミレの花束』の絵をどこかで探してみてね。 「素直に自然の不思議と向かい合って、デューラーは、息をとめ、何も考えずひたすらに目をこらして・・・デューラーのようにこの花のつつましやかな美しさを表現した画家はいない・・・。」
※「花の文化史」(P・コーツ著/八坂書房)で引用されているジャメイン・ペイジンのことば