!WELCOME!

広島市中区基町5番25号にある広島市民球場は新築移転することになり、その役割が終わるそうです。51年間の歴史に幕を下ろすのだそうです。ファイナルシーズンということで、広島東洋カープのホームページに、なつかしの市民球場の写真が紹介されていました。
最初はなんとなく眺めていたのですが、今更ながらびっくりしました。


昭和33年11月6日、日米野球広島大会の球場の写真です。

原爆投下が昭和20年8月6日。草木も生えないと言われたといいます。
しかし、わずか13年後に、原爆投下した国のチームのセントルイス・カージナルスを、市民球場は、“WELCOME”の横断幕で迎えていました。


投下後の10年は「空白の10年」と呼ばれ、日本政府からも公の手当てがしてもらえないどころか、人体実験の対象のように扱われたとも聞きます。その間に亡くなった人が多かったのです。
その10年があっての13年ですから、「わずか13年後」であることにとても驚きました。
そして、市民球場の目の前には原爆ドームがあり、すぐ傍の相生橋が投下の目標であったのであれば、市民球場はそのほぼ真下に近い所となります。

「WELCOME」と迎えた市民の気持ちに、「ふるさと」の温もりのようなものを感じましたし、この人達に、この社会に育ててもらってきたんだなと思いました。

  WELCOME、
  これがきっと
  原爆投下によっても滅びることなかった
  広島の心です。