オペラ座の怪人さん

もう、随分前から「オペラ座の怪人」は、国内外で、有名らしいけれど、一度も観たことがありませんでした。オペラ座というのも、架空の場所だとばかり思っていて、(パリ・オペラ座と結びついたのは最近のことでした。)ホラーやサスペンスと勘違いしていて、何と言われようと、怪人が出てくるようなそんな怖いもの、
私は観ません。
と決めていました。でも、人気のようで、無関心でも情報が断片的に入ってきます。

 どうやら、怪人とはオペラ座に棲みついている人らしい。
 5番ボックス席って、何だかドラマティック。
 地下に湖があるの???
 上演中のシャンデリア炎上は事実に基づいいるらしい…?
 オペラ座ってあのパリ・オペラ座のこと!!!

絶対観る!
とまるで心変わりし、強固に決意したものの、ブームも何もかもすっかり目の前から跡形もなく過ぎ去っていました。と・・・そこへ、映画がやって来るというので、最近は殆ど行かない映画を観に行きました。
劇場空間が好きで、オペラ座に棲みつくという行為が羨ましくて羨ましくて、「憧れの怪人さんマニア」になるべく浮かれて出かけたのですが・・・

テーマがラブストーリーのようでした。怪人の人物像も、そのストーリーに沿って描かれているので、怪人自体がテーマで出かけた私とは、ちょっと違うみたい。(でも劇場空間や舞台づくりの臨場感は味わえました。)
ということで、今回の主役は私の中では、事実と重なるらしいシャンデリアでした。他にも、本番最中にいろんなものが頭上から降ってくるのは、やはり、舞台では、何が起こるかわからないということの象徴として、これは、本当のことだ思いました。

なぜか、ふと、
  「悲しみや病気、貧困や死、つぎからつぎへと暗い仮面をはがしていくと やがてその下に
  セラフの顔が現れる。」(「天使の本」/ソフィ・バーナム著・吉田利子訳/ジャパンタイムズ
  引用されていた)ジェームズ・ラッセル・ロウェルの詩が思い浮かびました。

セラフって不思議な響き。案外、怪人の正体かも?