睡蓮

「花ことば」の著者春山行夫さんにとって、幻のスイレン、青いスイレンを最初に紀州白浜の植物園で見た印象は、「魔法にかかった花」だそうです。

私自身この数行を読んで、たちまち青い睡蓮の虜になってしまいました。本などでモネの絵を見かけると、「青い睡蓮あるかな?」とまず、探してみます。植物公園に出かけることがあると、「あるかな?」と、探してみます。でも、まだ見たことがないので、私にとっては、まだ幻の花です。

  青いスイレンは)エジプトのものとインドのものとは青い色がすこしちがっているので、
  前者を空色スイレンといい、後者をスイレンといっている。
       
           春山行夫の博物誌 花ことば」/平凡社

青い色のすこしの違いの区別が、明るい昼間の空と夜空の星という、ありそうだけれどめったにない絶妙な組み合わせで、しかも単なる区別というだけでなく、どこか対比される緊張感とバランス。