十五夜物語

私はディズニーランドに行ったことがありませんし、行くのであれば、本場へと思って、優先順位ではどうしても後の方になるため、その機会はまだ訪れません。

しかし、ウォルト・ディズニーの伝記は読み、原画の画集のようなものや、洋書の絵本は持っていました。クラシックな感じの手描き感のあるディズニーの絵は好きでした。

昭和天皇ミッキーマウスの腕時計をされていることを雑誌の写真で知り、かけ離れて遠い存在、別世界と思っていた昭和天皇に親近感を覚えました。

また黒い革のベルト(?)で、気取らない重厚さのある時計がお洒落で、お揃いと思われるものを探して購入しました。当時は一般的に流行っていたのか、他の友人たちも持っていたと思います。
(しかし、昭和天皇の周辺の方々は、そのミッキーマウスの時計は、「(公平性を重んじる立場上)いったいどうしたらよいのだろう・・・」とハラハラするものでもあったとか、なかったとか。)

そういうことがきっかけで、侍従をされていた入江相政さんのエッセイを読むことになり、そのユーモアに惹かれて、面白いエピソードを探して、何冊かを読みました。確か入江相政さんは、中秋の名月の頃に亡くなられたのを印象強く覚えています。

そのユーモアとは、たとえば、

 筍について、外国のお客様から「これは何か」と聞かれて「バンブーチルドレン」と
 説明された知事さんがおられたとか、

 侍従がお互いの靴をはき違えて、左右違った靴を履いたまま、随行していたとか、

 同情すべき事情があり、陛下のお弁当を内緒で食べることになったが、まさしくその
 現場に陛下が入って来られて、見つかってしまったが、言い訳はしなかったし、聞
 かれなかったとか、

 巡幸中に、陛下のために用意されたお風呂に、いろいろ経緯もあり、侍従が入ったた
 め、外からお湯が抜かれて、入浴中にお湯が無くなったとか・・・